高血圧

【高血圧】要注意健康診断項目とその他の検査法

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高血圧に関連する健康診断項目

高血圧に関係がある健康診断の項目は「血圧測定」です。


血圧とは、心臓から送り出された血液が血管にかける圧力のことです。全身に存在するすべての血管に圧はかかりますが、一般的に血圧は「上腕動脈」にかかる圧のことを指します。1

血圧測定では、椅子に腰掛け、心臓と同じ高さまで片腕を上げて「マンシェット」と呼ばれる布を上腕に巻いて加圧し、血圧計で血圧を測定します。

血圧は心臓が血液を押し出す力と血管の広がり具合で決まり、食生活や神経、腎臓などの内臓機能、ホルモンバランスなど多くの要因によって変動します。

血圧の正常値と異常値

血圧の正常値は収縮期血圧が>=130mmHg、拡張期血圧が>=85mmHgです。2

この値を超えると異常値となり「高血圧」と診断されます。

血圧の値は、病院で測定する「診察室血圧」と自宅で測定する「家庭血圧」の両方の値で評価されます。

近年、「心筋梗塞」や「脳梗塞」などの循環器疾患発症を予測するには、診察室血圧より家庭血圧を優先して参照する方が優れた結果が得られることが明らかになってきました。高血圧と診断された場合にも、さらに詳細に分類するため家庭血圧を優先して評価に用います。

血圧についてもっと詳しく

その他の検査

高血圧では、血圧測定以外に以下のような検査が行われることがあります。

  • 血液検査
  • 心電図検査
  • 心エコー検査
  • 胸部レントゲン検査
  • 尿検査

この検査でわかること

  • 血液検査…血液検査では、高血圧によって引き起こされる「動脈硬化」の兆候を調べるため、血糖値やLDLコレステロール値、HDLコレステロール値などを調べます。他にも、高血圧を招くホルモン異常や腎機能の異常がないか確認します。
  • 心電図…高血圧に合併しやすい「不整脈」の有無や心臓の筋肉への血流不足の有無、心臓の筋肉が厚くなる「心肥大」の有無などを調べます。
  • 心エコー検査…心エコー検査は心臓の超音波検査です。心臓の機能を細かく確認し、高血圧の合併症である「弁膜症」「心肥大」の有無を調べます。
  • 胸部レントゲン検査…高血圧の合併症「弁膜症」「心肥大」の有無を調べます。
  • 尿検査…高血圧を発症すると、腎臓に負担をかける可能性があります。そのため、尿検査で腎臓病の有無を確認することがあります。また、尿中に含まれる食塩の量を調べることで日頃の食塩の摂取量を推測したり、高血圧の原因となるホルモン異常がないか調べたりすることもあります。

この検査はどこで受ける?

内科、循環器内科等で受けることができます。

高血圧を発症しても自覚症状が乏しく、気付きにくい傾向があります。そのため、気になる症状がなくても定期的に健康診断を受けることが重要です。健康診断で異常を指摘された場合には、速やかに医療機関を受診して適切な検査を受けましょう。

参考文献

  1. *1 国立研究開発法人国立循環器病研究センター「高血圧」 ↩︎
  2. *2 厚生労働省「健診項目について」 ↩︎

一般社団法人日本循環器病予防学会「血圧測定」
国立研究開発法人国立循環器病研究センター「高血圧」
特定非営利活動法人日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」
特定非営利活動法人日本高血圧学会 一般向け「高血圧治療ガイドライン2019」解説冊子「高血圧の話」

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